人工知能が人間を超えると仕事が無くなる?AI時代のWeb担当者の役割とは

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「人間が可能なことは何でも、それ以上の精度とスピードでロボットやAI(人工知能)がこなすことが可能になるとしたら、我々人間の仕事はどうなってしまうのか?」最近Webや雑誌などでアツいテーマになっていますが、現在Web関連の仕事に係わるものにとっては、人工知能の台頭が具体的に仕事にどう影響してきそうなのか知りたいところです。
そこで、今集められる情報から、これからのWeb担当者のやるべき仕事について考察してみました。
調べてみると、データの分析などの情報処理系の業務はもちろん、今まで「人間にしか出来ない」と思われてきた仕事も、既に人工知能がこなしてしまっているという驚くべき現実が明らかになります。多くの人々が遠い未来の話だと思っていたことが、当たり前になる日は目前のようです。我々は危機感を持って備えなければならないようです。

1. なぜ人工知能は人間を超えると言われているのか?

1.1 人工知能(英:Artificial Intelligence/略:AI)とは?

人工知能とは、その名が示す通り「人工的に作られた人間のような知能」ということです。そう言った意味でいえば厳密には、人間のように考えるコンピューターはまだ発明されていません。現在、人工知能と言われているものは、その研究の過程として開発されているシステムやツールのことを指しています。
現時点では、人間が使う自然言語を理解したり、論理的な推論を行ったり、経験から学習したりするコンピュータプログラムなどのことを人工知能と呼んでいるということです。

1.2 2045年人工知能が人類を超える?

しかし、人工知能が人間の脳の能力を超える日がやがて訪れるだろうと言われています。
2045年問題という言葉をご存知でしょうか?2045年にはコンピューターの性能が人類の知能を超えるという予測です。それによって、今ある仕事の半分以上は無くなってしまうという予測もあります。
人工知能は近年「ディープラーニング」という機械学習の技術が実用化されたことにより急速に進化し、囲碁や将棋の世界で名人を負かしたり、クイズ番組で人間に勝利するようになっています。
※機械学習とディープラーニングとは?
参照 https://www.sas.com/ja_jp/insights/analytics/machine-learning.html

1.3 既に人工知能が活用されている仕事

すでに人工知能はGoogleの検索エンジンを始め、翻訳等のGoogleが提供するさまざまなツールで活用されています。日本国内でもASKL(アスクル)の個人向け販売サイト「LOHACO」のお問い合わせ担当「マナミさん」が、ユーザーからの問い合わせにチャットで休み無く対応し、6.5人分の人件費削減に成功したと言われていますし、日本マイクロソフトが開発したLINE上の人工知能「りんな」や、ソフトバンクが販売しているヒト型ロボットのPepper(ペッパー)など、人工知能はどんどん身近なものになり始めています。

2 近い将来、人工知能に取って代わられるWeb関連の仕事とは?

企業のWeb担当者はアクセス解析やプロモーションのやり方を調べたり、必要なツールの使い方を覚えたり、実際にデータを集め分析したり、ものすごく沢山の時間と労力を費やさなくてはいけない仕事があります。
でも、人工知能はコンピューターですから一度に扱える情報量が膨大で、すばやく計算できるので、必要な情報を探し、データを分析し、目的に応じた結果をアウトプットするといった仕事は得意分野です。
そうなると、それに類するような業務の大半は人工知能任せになることは、ほぼ間違いないと思われます。
既に今でも、下に挙げたような仕事は人工知能が力を発揮してくれています。

2.1 アクセス解析に人と時間を割く必要はない

今も、会社のWeb担当者ということになると、Webサイトの効果を測定する為に、Googleアナリティクスでアクセス解析をしなくてはいけないということになるかと思いますが、担当者が初心者ならセッティングするにも一苦労ですし、何より専門用語が多すぎて分けが分からない…と、初めから挫折しそうになるものです。だったら、お金がかかっても専門の業者さんにお願いするという選択肢が合理的な判断である場合もあったでしょう。
でも、近い将来はそんな必要はないかもしれません。命令さえ与えれば、人工知能が全て解析してくれるからです。
実際すでに人工知能での分析を行っているサービスがあります。
AIアナリスト(株式会社WACUL)https://wacul-ai.com/

2.2 Web広告は人工知能の独壇場!?

プロモーションについても、目的をきちんと与えてあげれば、後は人間が何もしなくても人工知能がどんどん最適化してくれます。
もうリスティング広告で単価数円を争ったり、有効なキーワードを血眼になって探す必要もありません。広告文を何パターンもセットしてCTR(クリック率)やCVR(転換率)を比較する必要もありませんし、ターゲット層や季節や時間で広告を入れ替えるなんてこともお任せできるようになるでしょう。人工知能は自ら学習して最適なパターンを見つけてくれます。
既にリスティング広告では自動入札やレポーティング自動化などで人工知能を活用したツールが開発されており、GoogleやYahoo自身が自動入札ツールを提供しています。ディスプレイ広告においては、入札から広告表示まで一環して自動で行うことができるDSPという自動最適化ツールに人工知能が活用され、Google AdwordsやFacebookなどの複数媒体の広告をまとめて運用してくれるツールも登場しています。

2.3 販売サイトのスタッフは人工知能で十分?

販売(EC)サイトの運営では、受発注、出荷指示、Eメールでの顧客対応、商品登録、セール対応、広告の運用やメルマガなどのプロモーションなど、多岐に渡る業務が存在し、1店舗あたり十数人のスタッフで運営されていることも珍しくありません。
しかし、人工知能が発達すればおそらくそれらのほとんどは自動化が可能でしょう。既に、受発注や在庫管理等のバックヤードから、ECサイトの商品ページ管理、Eメールでの顧客への連絡などを複数店舗に渡って一元管理出来るツールが存在していますが、今後はますます人工知能での自動化が進むものと思われます。
お問い合わせも既に人工知能が対応している時代ですが、クレーム対応はまだまだ人間に頼らざるを得ないかもしれません。一番つらい仕事かもしれませんが、店長の業務は主にそれになるかも…

2.4 Webデザインもサイト制作も人工知能にお任せでOK!?

デザインと一口で言っても、本当の意味で人間の感性が必要なクリエイティブな仕事は、思った以上に少ないかもしれません。Web制作の現場でも、ある程度のパターンに当てはめたデザインを落とし込んでいるケースも多いもの…もちろんケースバイケースですが。
今後、人工知能の学習機能で蓄積された膨大なパターンを持って、あなたの要望に最適なデザインを提供してくれる時代はそう遠くはないかもしれません。いや、人工知能に感性(センス)が備わる日さえ訪れるかもしれません…。
現時点でも、ユーザーが管理画面から文字や写真をアップし、カラースキームを指定してあげれば人工知能がWebサイトをデザインしてくれるサービスが既にあるようです。しかもこの人工知能は、ユーザーの反応を常に分析し、自動的に更新までしてくれるらしいのですから、驚くべきことです。
”The Grid” http://blog.btrax.com/jp/2016/06/05/thegrid/

3 人工知能に頼れない仕事とは?

このように見ていくと、企業のWeb担当者にとって人工知能はむしろ頼もしい存在になりそうですが、現在あるような「SEO業者」や「Web広告運営代行業者」または「Web制作会社」の多くは今のままの形で存在していることはなさそうです。
なんでも、アメリカでは既にそういう業者はほとんど姿を消したか、今の時代に対応した新しい業態にシフトチェンジしていっているとか?彼の国では、企業内にWeb関連の部署があるか、社内に専門のスタッフを抱えているケースが一般的だそうです。アメリカの場合は共通言語が英語である人件費の安い海外が外注先として存在する事情もあるようですが、人工知能の発達で将来的に日本でもそのような形態が一般的になる可能性は高そうです。
では、今後の人工知能時代における企業のWeb担当者として求められる能力とは、どのようなものなのでしょうか?

3.1 人工知能に指示を与えること、方向性を示すのは人間の役割

あなたの会社の事業の目的、もしくは企業理念やブランドコンセプトを理解し、他の社員と共有して実行に移すこと、そこは人工知能に手助けは出来ても任せることは不可能です。
人間は、目的に向かって意思決定し、その為に活用できる人工知能を選んで指示を与えることが出来なくてはいけません。基本的なことですが、目的に応じて判断して決断する能力が必要だということです。

3.2 人間を感動を与えられるのは人間であってこそ

サービスであれ、物販であれ、どんな事業も人々の共感や信頼を得られなくては成り立ちません。
その為に適切な表現をする為には、どうしてもエモーショナルな要素を欠くことは出来ないはずで、人工知能には出来ないことです。
例え最終的にはクリエイターの力を借りる必要がある場合でも、そういったものを伝えられる表現力がある程度は必要でしょう。
また、営業や取材といった、足で稼ぐ必要があることや、対面でこそ意味がある人と人との関係性が重要な仕事では人工知能の出る幕はほとんどないと言えるでしょう。
何より、人と人との心を通じさせる能力という意味で、コミュニケーション能力が、これからも必要とされるはずです。

4 まとめ

Web関連の仕事については変化の波が激しく急激に訪れていると言えます。
スマートデバイスの急激な普及やSNSの台頭に続き、人工知能の登場で我々を取り巻く環境はさらに変化しています。
ここまで見てきたように、これからは、ルーティンワークはもちろんデータの分析や、秩序的・体系的手法や操作が求められる業務は人工知能が担うことになる可能性が高いと言えます。

それに対し、創造性・協調性が必要な業務や、その場の判断が必要で定型化出来ない仕事が、これまで以上に人間に求められることになりそうです。
例えば、会社をブランディングし、目的や使命を明確にして、そこに人々のシンパシーを集める為には、その表現の仕方や用いるのに適切な手段を我々人間が考えて、浸透させる必要があります。
どのような商品・サービスを作るのか?Webサイトにどんなコンテンツを用意するのか?どのようなスタンスでどんな内容を発信するのか?それらのことは人々の心をつかむ為に我々自身が考えていかなければならないでしょう。

ただ、感じられることは、今後ますます、小手先のごまかしや嘘が通用しなくなるだろうということです。ビジネスでも人生においても我々には、その本質を磨くことが必要になってきそうです。

人類の歴史では、今までも新しい技術が発明される度に、消えて無くなる職業と新たに生まれる職業がありました。
そして現代では、未来学者の故アルビン・トフラー氏が予言した「情報化社会」が訪れ、ある意味その帰結として人間の知能を超えたものを人間自身が作れるところに目前まで迫っています。
ここに至っては、職業というよりも人間の在り方や存在意義自体を問い直さざるを得ない状況になって来ているのかもしれません。

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